2026.06.01
たうまちざい(1)著作権の保護期間
知財を仕事にしています。もはや不本意ですが、それ以外の社会性スキルがありません。
知財に対しては、もはや好奇心も皆無なんですが、たまーーーーーーーーに、「これってどうなん?」って思うことがあります。
そんな珍しい事象はきっちり記録しておこう。それだけです。
今回は著作権の保護期間について。
著作権とは、思想や感情を創作的に表現したもので、美術とか学術、音楽などに属するものをいいます。
本日こんなニュースを目にしたのがきっかけです。
◆『ハンターハンター』単行本新刊(39巻)が7月3日に発売。前の巻から約2年ぶり
https://web.archive.org/web/20260601074603/https://www.famitsu.com/article/202606/76532
見た直後の感想は、「2年かぁ。。。そんなもんかぁ。。。」です。
とりあえず、このニュース覚えておいてください。
○著作権はその発生から消滅までの保護期間が定められています。
通常(実名や、周知の変名(有名なペンネーム)で公表されている場合)は、創作時に著作権が発生し、著作者の死後70年で消滅します。
例えば、ドラゴンボールの著作権については、原作者の鳥山明先生が2024年3月1日に逝去されたため、その翌年である2025年1月1日から起算して70年後の2094年末に消滅となります。
Dr.スランプもSAND LANDもジャコもキャッシュマンも同じ期間です。
ただ、「通常は」ということで、著作権の保護期間については、他にも色々な規定があります。
無名の著作物は公表後70年、映画の著作物も公表後70年で消滅です。
さて、ここから本題です。
著作物には、「逐次刊行物」と「継続的刊行物」についても特別に著作権が定められています。
どちらも公表後70年で著作権が消滅するのですが、その公表時の定義が両者で少し異なります。
○まず、「逐次刊行物」と「継続的刊行物」とは?
・逐次刊行物
全てが公表された時に完結する作品を分割して逐次的に発行される刊行物。全○回とか終わりを定めることもある。
・継続的刊行物
同じタイトルで2026年6月号など順次発行される刊行物。基本的に終わりを定めない。
つまり、「ハンターハンター」が逐次刊行物で、それを掲載している「週刊少年ジャンプ」は継続的刊行物ということになります。
○「公表時」の定義の違い
著作権法では、以下のように「公表時」が定義されていると解釈されます。
逐次刊行物・・・最終部分(ハンターハンターだと最新話)の公表時
継続的刊行物・・・毎冊、毎号、毎回の公表時
ここからが今回の疑問に関わる部分です。
逐次刊行物の著作権の公表時の例外として、最終部分の公表から3年が経過した場合、すでに公表された最後の部分をその刊行物の「最終部分」とみなす、と定められてます。
○ハンターって3年以上休載してね?
ここでようやく本題です。
ハンターハンターの休載、上記記事によると今回は2年とのことでした。
ちょっと待って、3年以上休載していた期間があったような気がするけど、ハンターハンターの逐次刊行物としての公表時ってどうなってんの?著作権の消滅時期ってどうなんのさ?
といった疑問が湧いたので調べましたとさ。
○逐次刊行物は「作品全体として」認められる著作物
つまり、すでに最新話があって、お話が続いているんだからいらん心配すな、ということです。
実際に2018年から2022年まで3年以上の空白期間がありましたが、その後に再開され、今回も最新話が出るんだから逐次刊行物としての最後部分はあくまで最新話ということになるようです。
そして、仮に3年以上の空白期間があって再開の見込みがないとなったとしても、逐次刊行物としての公表時がどうなるか云々ではなく、作者の死亡から70年後が著作権の消滅時期となるとのこと。
まぁそりゃそうか。(知らん間にゴーストライターが描いてないよね?)
○そうかつ
ということで、作者が周知であって存命ならばこんなことそもそも考えなくていいってことですね。
ということは、この例外規定ってどういうときに適用されるんだろうか。
作者不明でネットに逐次アップされてきた作品が、何らかの理由で途絶えてしまったとき、とかですかね。
1つ解決してよくわからないことがまた一つ増えたような感じです。
ニュースを見て、著作権のこんな規定を思い出した。
今日はそんなお話でした。
次回はあるかわかりません。